管理人はなぜドイツ語を使うのか





当クレヨンしんちゃん研究所のトップページを開くと、"Institut für Crayon Shinchan"、
"Seit 2005.01.05"、"INHALTSVERZEICHINIS"といった言葉を見かけます。これらは英語ではなく、日本語(ローマ字)でもないため、一体何のことか分からない方が多くいらっしゃることと思います。

実は、これらの言葉は全てドイツ語です。"Institut für Crayon Shinchan"(インスティトゥートゥ フュア クレヨン シンチャン)とは「クレヨンしんちゃん研究所」、"Seit"(ザイトゥ)は英語の"since"(よって開設日である2005年1月5日から当サイトはやっているという意味があります)、"INHALTSVERZEICHINIS"(インハルツフェアツァイヒニス)は目次、内容目録といった意味があります。

なお、当初はメニューのドイツ語である"Speisekarte"(シュパイゼカルテ)を使おうとしたものの、このドイツ語にはあくまで食べもののメニューの意味しかない(英語に直訳すると"food card"となります)事が分かり、危うく恥をかきそうになったという事が、サイト開設前にあったりしました。

そういうわけで、当サイトは「クレヨンしんちゃん研究所」という日本語の名前の他に、"Institut für Crayon Shinchan"というドイツ語の名前もあり、頭文字を取って"ICS"とも略しています。読み方は英語式の「アイシーエス」ではなく、ドイツ語式の「イーツェーエス」です。私は普段、当サイトの事を頭の中で考える時、サイトを「ICS(イーツェーエス)」と呼んでいることが多いです。

さらに言うなら、トップページにある私のメールアドレス(※)"verwandlung0105(a)hotmail.com"、"Verwandlung"(フェアヴァンドゥルンク)とは「変化」、「変身」という意味があり、チェコの作家フランツ・カフカの代表作「変身」のドイツ語の原題もこれに当たります(なお、カフカはドイツ語で作品を書いており、ドイツ語の文学作品は書き手が誰であれドイツ文学になります)。ちなみに、0105とは、おそらく言わなくてもお分かりいただけるのではないでしょうか。そう、当サイトの開設日1月5日を表しています。

※現在、上記のverwandlung0105(a)のメールアドレスでの受け付けはしてません。sasuga_super_elite_bo_sama(a)yahoo.co.jpに変更となりました。


トップページのこうした言葉は、ドイツ語の分かる方だけが理解できる、つまりそれ以外の大勢の方は意味が理解できません(推測はできると思いますが)。当ページのテーマでもある、なぜ管理人はこうもドイツ語に対してこだわりがあるのかと言うと、一言で言えば管理人がドイツ語圏の、特にオーストリア文化に対する強い憧れを持っているからなのです。

ちなみに、オーストリア共和国の公用語はドイツ語です。この事はあまり知られておらず、私はオーストラリアと勘違いされるのを不愉快に思っており、だからこそサイト開設時に、雑談室にオーストリアという国というページを載せたわけです。まあ、今見れば相当な駄文で、あまり説得力のあるものでもないのかもしれませんが。

しかし、文化面だけでなく、私にとってドイツ語は何となく高貴な言語であるというイメージが、高校生くらいの時に定着するようにもなり、ドイツ語に対する特別な想いというものが存在していました。なぜだかはよく分かりません。当時はドイツの文化に関する知識など皆無に近かったにも関わらずです(ゲーテの「ファウスト」にはまったりもしましたが)。世界史の授業で何かを聞かされたのかもしれませんが、真相は不明です。

高校3年生の時、受験勉強の真只中にいた私は、受験科目の一つである英語をひたすら勉強していたわけですが、段々英語に対して嫌気が指してきました。そして別の言語、つまりドイツ語に対して浮気心が湧いてくる事件(?)が起きました。当時、私は大宮の予備校に通っていたせいもあり、大宮に行く機会が多かったのですが、冬に近づいて、受験も段々迫っているという時期に、そごう大宮店に入っている三省堂で、買ってしまいました。故藤田五郎氏の「ドイツ語のすすめ」(講談社現代新書)という本です。既に絶版になってしまい、私の持っていたものもどこかで紛失してしまったようで手元には無いのですが、私はこの本でドイツ語は決して難しくないと教えられ、非常に面白そうな言語だという印象を受けました。

そして、大学に入ったらドイツ語をやってみようという気になり、自分の受ける大学の第二外国語にドイツ語があるかを調べ、どの大学にもある事を知って安心したりもしました。ちなみに、私は国文科以外の文系の学部で、第二外国語にドイツ語とフランス語の設置は当り前で、どちらかないしは両方が存在しない学部は大学として失格だと考えている人間です。

その後、(ドイツ語に浮気心が湧いたせいで?)浪人生活を経て、ようやく大学に入りました。入学の手続きの際、第二外国語の希望言語の欄があり、私は迷わず第一希望にドイツ語を選択しました(第二希望はフランス語)。

こうして、私はドイツ語を大学で本格的に学ぶこととなったのですが、前述の「ドイツ語のすすめ」に書かれてあった事は、極めて表面的な事、ドイツ語を学ぶ苦労を思い知らされました。とにかく英語に比べて文法が非常に複雑なのです。例えば、名詞に男性名詞、女性名詞、中性名詞、複数名詞があるのは知っていましたが、その名詞の性と4つの格に応じて、英語の"the"という定冠詞がドイツ語では16種類も存在する事にショックを受けました。表にすると以下の通りです。


  単数 複数
(各性共通)
男性 女性 中性
1格 der die das die
2格 des der des der
3格 dem der dem den
4格 den die das die


他に、不定冠詞(英語の"a"、"an")も同様に16種類、形容詞や疑問代名詞も英語に比べてはるかに複雑で、最初はひたすらそれの暗記をやるはめになり、相当苦しみました。しかし、それでもドイツ語を好きでいられたのは、私の嗜好がそう簡単に捻じ曲がられないというのもあるのですが、先生に恵まれたというのもありました。当時、非常勤講師として教えていたNという先生は、「皆さんをドイツ語オタクにするのが私の使命です」と公言し、とにかく私たち学生にドイツ語をなじんでもらおうと、非常に分かりやすく丁寧に教えてくれていました。今その先生に会ったら、謝りたいですね。先生すみません、私はドイツ語オタクになれませんでしたと(詳細は後述)。

ちなみに、当時私はもう一人の非常勤の先生にも教わっていたのですが、こちらはまあやる気のない人でしたね。いかにもイヤイヤで教えており、この先生だけなら私はドイツ語が嫌いになっていたかもしれないというくらいです。

その夏、私は大学で募集していたオーストリアのウィーン大学でのドイツ語の語学研修に参加しました。そこで4週間のドイツ語講座を受けたわけです(プラス数日のベルリン旅行)が、当時はまだドイツ語を学び始めて数ヶ月だったせいもあり、残念ながらそれほどドイツ語は進歩しませんでした。ただ、ウィーンに滞在した間、様々な観光地を廻り、私はオーストリアの文化に心酔したという経験もしました。前述したオーストリアという国を書く一つのきっかけにもなったわけです。

さて、語学研修から帰っておよそ4ヶ月後に、私はクレヨンしんちゃん研究所を開設したわけですが、海外編でクレしんのドイツ事情を載せたページは、ドイツ編ではなくドイツ・オーストリア編となっています。これは、私がウィーン滞在時にドイツ語版のクレしん6巻と8巻を買ったという事もあるのですが、オーストリアに対して私の特別な思い入れも存在しているからなのです。

それにしても、ドイツ語版のクレしんはあまり出回っておらず、私はあまり良い気分ではありません。ドイツ語版のDVDも販売されいたようですが、もう販売停止になって入手できないのですよね。ドイツ語を話すしんちゃんを見てみたいと思う日々です。You Tubeで閲覧できたりもしますが。

私のサイトのURLをよく見ると、見覚えのない単語が書かれている事があります。例えば、映画編はhttp://www.geocities.jp/crashinsti/kino.htmlで、原作のあらすじはhttp://www.geocities.jp/crashinsti/originalzusammenfassung.htmlです。ここで、"kino"、"originalzusammenfassung"といった単語について説明すると、"Kino"(キーノ)は「映画」、"Original"(オリギナール)は「原作」(英語と同じです)、"Zusammenfassung"(ツザンメンファスンク)は「要約」という意味です。ここで言い忘れましたが、固有名詞のみ最初の文字を大文字にする英語に対し、ドイツ語は全ての名詞の最初の文字を大文字にします。

では、原作解説編のhttp://www.geocities.jp/crashinsti/originalerlaeuterung.htmlのoriginalerlaeuterungですが、"Original"は「原作」で、"Erlaeuterung"はもともと"Erläuterung"(エアロイテルンク)という語で「解説・注釈」といった意味があります。なぜ、"ä"を"ae"としているかというと、"ä"では表記できないからです。いや、表記する方法もあると思いますが、他のブラウザ等で問題が発生する可能性もあったので、あえて"ae"という表記にしているわけです。

ドイツ語には、ä、ö、ü(大文字はÄ、Ö、Ü)という(読み方はそれぞれ「アーウムラウト」「オーウムラウト」「ユーウムラウト」)ウムラウトと呼ばれるダイアクリティカルマークと、ß(エスツェット)という文字が存在するのすが、こういうコンピューター上では表記出来ない場合もあるわけです。そういう時に、äをae(ÄはAu)に、öをoe(ÖはOu))に、üをue(ÜはUe)に、ßをssという代替の標記を用いるわけです。

そして、このページの"verwa.deutsch"ですが、"Verwa"は「管理人」を意味する"Verwalter"(フェアヴァルター"を略したもので、"Deutsch"(ドイチュ)はドイツ語です。タイトルからこういう適当なURLを考えたわけです。

そういうわけで、私のドイツ語熱はその後も加速し、ドイツ語技能検定試験も受けてみようと思うようになり、ウィーンから帰ってきて、2ヶ月半ほど後の11月下旬に開催された試験で、一番下の4級を受けました。大学の授業だけでは試験までに文法が4級の範囲までに追いつかないと判断した私は市販の参考書を使って勉強したりもしました。今にして思えば、授業だけでも合格できたとは思いますが。

結果は見事合格しました。そして、半年後の翌年の6月には、3級を受験しました。こちらは意外に手強い問題が出て、合格は無理かと思いましたが、ギリギリで合格しました。そして、さらに半年後の11月下旬には2級を受けました。こちらは見事に落ちました。私も受かるとは思っていませんでした。何しろ、2級になると難易度は異常に上がり、通常は学部レベルの学生では歯が立たないというくらいで、独文科に在籍していない私には敷居が高すぎたわけです(私は経済学科所属)。

ただし、2級と3級の差があまりにも大きいので、今年から準1級なるものが設けられ、これが2級のレベルとなり、今後の2級はレベルが従来より少し下がるのだそうです。それなら、もう一度受けてみても良いかと思ったりしますが、そのためにはもう一度きちんとやり直さなければなりません。

というのは、3級に受かり、2級に落ちた頃が私のドイツ語学習における黄金期でした。それ以降は転落の一途を辿ることとなります。2級に落ちた頃、私は翌年から所属するゼミ試験を受けたのですが、私が所属するゼミはとにかく英語に力を入れているゼミだったのです。しかも相当ハードで、私は再び英語に力を入れるという路線に変更せざるを得なくなったわけです。

それ以降もドイツ語の授業を一応受けてはいましたが、もはや惰性で続いたという感じで、今は全く受けていません。もはや、ドイツ語を学習する機会は事実上なくなったわけです。しかし、私はこれを書く前にもそのゼミの卒業論文の推敲を行っていて、そのゼミに入って後悔してはいません。そもそも私がドイツ語をやらなくなったのは、単に私が怠け者だからです。

やはり、誰かに尻を叩かれないとなかなか出来ないわけです。結局、私は大学在学中にドイツ語オタクにはなれなかったのですが、いずれはまたドイツ語をやりたいとも思っています。言語習得の天才でもあった19世紀のドイツの考古学者ハンリヒ・シュリーマンは外国語を習得するために「声を出して読む。訳さない。毎日勉強する。毎日作文を書く。それを先生に添削してもらい、誤りを正したら、次のレッスンを暗唱する」という方法を述べていますが、怠け者の私にはなかなか出来ません。しかし、いずれはこれに近い学習法でドイツ語を習得したいとも考えています。

とりあえず、クレヨンしんちゃん研究所の運営でドイツ語をさりげなく使用し、ドイツ語との接点を保っておきたいと思います。ちなみに、私はドイツ人にかぶれているところもあり、何か嫌な事があったりすると"Nein"(ナイン 英語の"no")とつぶやいたりもしています(バカだなぁ)。他にも、こういう表現はドイツ語でなんて言うのかとふと考えることもよくあります(ただし、これは英語にも言えることですね)。いずれも、あまり意味は無いかもしれませんが。



談話室  トップページ