劇場版についての概論


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2003年6月27日、スペインで「暗黒タマタマ大追跡」が、「失われた玉を求めて」というタイトルでクレヨンしんちゃんの劇場版としては初めて公開されました。

そして2004年6月25日には、「電撃!ブタのヒヅメ大作戦」が「奪回作戦」というタイトルで公開されました。さらに、2007年2月には、「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」が「大人の逆襲」というタイトルで公開されました。

この他、劇場公開されたか否かは不明(おそらくされていない?)ですが、「アクション仮面vsハイグレ魔王」、「ブリブリ王国の秘宝」、「嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」、「ヘンダーランドの大冒険」、「嵐を呼ぶジャングル」が公開も既に紹介され、DVDも販売されています(2007年5月現在)。

これらの内、管理人は「ヘンダーランド」以降の作品のDVDを所有していますので、これらの作品の詳しい紹介をしようと思います。

スペインでは「暗黒タマタマ」のDVDが最初に発売され、続いて「ハイグレ魔王」→「ブタのヒヅメ」→「ブリブリ王国」→「戦国大合戦」→「ヘンダーランド」の順番に発売されたようです。

「暗黒タマタマ」のスペインでの各言語では、以下のようなタイトルとなります。

日本語
(原題)
暗黒タマタマ大追跡
日本語
(スペイン版直訳)
失われた玉を求めて
スペイン語
(Castellano)
EN BUSCA DE LAS BOLAS PERDIDAS
(エン ブカ デ ラ ボラディダ)
カタルーニャ語
(Català)
A LA RECERCA DE LES BOLES PERDUDAS
(ア ラ ラセカ デ ラ ボラドゥダ)
バスク語
(Euskara)
BOLA GALUDUEN BILA
(ボラ ガルドゥエン ビヤ)
ガリシア語
(Galego)
NA PROCURA DAS BÓLAS PERDIDAS
(ナ プロクラ ダ ボラディダ)

スペイン語の“EN BUSCA DE LAS BOLAS PERDIDAS”は、英語に訳すと“IN SEARCH OF THE LOST BALLS”になります。EN→IN、BUSCA→SEARCH、DE→OF、LAS→THE、BOLAS→BALLS、PERDIDAS→LOSTとそれぞれの単語を置き換える事が可能です。

なお、“LAS BOLAS PERDIDAS”はそのまま置き換えると“THE BALLS LOST”という順序になりますが、これはスペイン語などロマンス語群には、形容詞が名詞に後置になることが多いという特徴があるからです。

バスク語の“BOLA GALUDUEN BILA”ですが、“BOLA”は英語の“BALL”、“GALUDU”は“LOST”で、“EN”は所有格の格変化(〜の)を表し、“BOLA GALUDUEN”で、「失われた玉の」という意味になるようです。この辺りは、少し分かりづらいですが。そして、“BILA”は「捜索」、「追求」などの意味があります。英語では“SEARCH”に当たります。

続いて、「ハイグレ魔王」です。

日本語
(原題)
アクション仮面vsハイグレ魔王
日本語
(スペイン版直訳)
侵略
スペイン語
(Castellano)
LA INVASIÓN (ラ インバスィオン)
カタルーニャ語
(Català)
LA INVASIÓ (ラ インバスィオ)
バスク語
(Euskara)
INBASIOA (インバスィオア)
ガリシア語
(Galego)
A INVASIÓN (ア インバスィオン)
ポルトガル語
(Português)
A INVASÃO (ア インバサオ)

スペイン語の“LA INVASIÓN”は英語の“THE INVASION”、つまり「侵略」、「侵入」などといった意味があります。少し単純すぎるタイトルかとも思いますが・・・。

なお、概論バスク語とはでも同じような事を書きましたが、、バスク語版では“V”が“B”に置き換えられ、最後には定冠詞の“A”が付いています。ここからでも、バスク語が他の言語とは大きく異なる事が分かります。

次は「ブタのヒヅメ」です。

日本語
(原題)
電撃!ブタのヒヅメ大作戦
日本語
(スペイン版直訳)
奪回作戦
スペイン語
(Castellano)
OPERACIÓN RESCATE
(オペラスィオン レカテ)
カタルーニャ語
(Català)
OPERACIÓ RESCAT
(オパラスィオ レカ)
バスク語
(Euskara)
ERRESKATE OPERAZIOA
(エカテ オペラスィオア)
ガリシア語
(Galego)
OPERACIÓN RESCATE
(オペラスィオン レカテ)
ポルトガル語
(Português)
OPERACIÓN RESGATE
(オペラスィオン レガテ)

スペイン語の“OPERACIÓN RESCATE”を英語に置き換えると、“RESCUE OPERATION”、つまり「奪回作戦」という意味になりますが、“RESCUE”は「奪回」というよりも、「救助」という意味の方が知られているかと思います(スペイン語も同じ)。そのため、「作戦救助」とも訳す事が可能ですが、このような訳ではタイトル全体の意味が大きく異なります。

“RESCUE”の「奪回」には、不法に奪い返すというニュアンスがあり、「救助」にはそれがありません。そのため、「奪回作戦」と訳すと、この奪回という行為をするのは敵のブタのヒヅメであると解釈が出来ます。「救助作戦」では、味方のSMLが主語に来ると考えられます。

つまり、「奪回作戦」だとブタのヒヅメが、「救助作戦」だとSMLが主語になると言えるのですが、日本版のタイトルでは「ブタのヒヅメ大作戦」と、ブタのヒヅメによる作戦だと謳っているので、あえて「奪回作戦」と訳したというわけです。ただし、「作戦救助」とも十分に受け取る事は可能です。

ちなみに、バスク語だけが語順が逆となっていますが、“ERRESKATE”も“OPERAZIO”も名詞であり(名詞にも定冠詞“A”が付く)、逆になるとは考えられません。となると、“OPERAZIO”は形容詞扱いとなっているのではという推測が出来ます。

続いては、「ブリブリ王国」です。

日本語
(原題)
ブリブリ王国の秘宝
日本語
(スペイン版直訳)
秘宝の島で
スペイン語
(Castellano)
EN LA ISLA DEL TESORO
(エン ラ イラ デ テソロ)
カタルーニャ語
(Català)
A L'ILLA DEL TRESOR
(ア リーリャ デル トゥレソ)
バスク語
(Euskara)
ALTXOR UHARTEAN
(アチョ ウアテアン)
ガリシア語
(Galego)
NA ILLA DO TESOURO
(ナ イーリャ ド テソウロ)
ポルトガル語
(Português)
NA ILHA DO TESOURO
(ナ イーリャ ド テゾウロ)

スペイン語の“EN LA ISLA DEL TESORO”の各単語を英語に置き換えると、“EN”が“IN”、“LA”が“THE”、“ISLA”が“ISLAND”、“DEL”が“OF THE”、“TESORO”が“TREASURE”となります。ですから、英語でそのまま当てはめると“IN THE ISLAND OF TH TREASURE”となります。

なお、バスク語の“ALTXOR”は“TREASURE”に当たります。“UHARTEAN”の“UHARTE”は“ISLAND”であり、接尾の“A”は定冠詞、最後の“N”は格変化の一つの内格(〜の中に)を表します。

日本語
(原題)
嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦
日本語
(スペイン版直訳)
小さな侍
スペイン語
(Castellano)
El pequeño samurái (エ ペケーニョ サムライ)
カタルーニャ語
(Català)
El petit samurai (ア パティットゥ サムライ)
バスク語
(Euskara)
Samurai txikia (サムライ チキア)
ガリシア語
(Galego)
O pequeno samurai (オ ペケノ サムライ)
ポルトガル語
(Português)
O pequneno samurai (オ ペケノ サムライ)

概論バスク語とはでも触れましたが、もう一度詳しく書くと、スペイン語の“El pequeño samurái”の“El”は英語の“The”、“pequeño”は“little”(または“small”)、“samurái”は“samurai”になり、英語でそのまま置き換えると、“The little samurai”となります。

つまり、「小さな侍」という意味で、これはしんちゃんを表すものだと思われます。なお、本作品の元のタイトルは、「嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」ではなく「青空侍」というもので、それを思い起こさせもするタイトルです。

なお、お気付きになられたと思いますが、「戦国大合戦」のみ、スペイン版のタイトルは小文字で表記されています。なぜかは不明ですが。

以上がスペイン版での各劇場版作品のタイトルとなりますが、概論スペインの言語とはでも触れた通り、再生可能な言語はスペイン語、カタルーニャ語、バスク語、ガリシア語、ポルトガル語などと複数にわたりますが、DVDによっては元の言語である日本語でも再生可能なものもあります。さらに、スペイン語のみですが、字幕を表示することが可能なDVDもあります。詳細は、下の付録2をご覧ください。ただ、字幕なのですが、台詞をそのまま載せておらず、省略している場合も多いという事も付け加えておきます。

次回から、これら劇場版の内容について触れたいと思います。登場人物の名前やセリフなどがどう訳されているかについてです。

ちなみに、スペイン版のDVDでの本編は、チャプターが全ての作品において16に分けられており(日本版は作品によって若干異なるものの、30前後)、またチャプタータイトルは付いていません。従って、本編についてはチャプターに従い、16のシーンに分けて取り扱うつもりでいます。

また、スペイン版のDVDは、特典映像が日本版のそれとは比べ物にならないほど充実しており、その事にも詳しく触れるつもりです。

さらに、「ヘンダーランド」以降の作品も,スペイン語とカタルーニャ語のタイトルが判明していますので,そちらを紹介しておきたいと思います。

日本語
(原題)
ヘンダーランドの大冒険
日本語
(スペイン版直訳)
ヘンダーランドの大冒険
スペイン語
(Castellano)
AVENTURAS EN HENDERLAND
(アベントゥラス エン エンダーランドゥ)
カタルーニャ語
(Català)
AVENTURES A HENDERLAND
(アベントゥレス ア エンダーランドゥ)

日本語
(原題)
嵐を呼ぶジャングル
日本語
(スペイン版直訳)
ジャングルの遭難
スペイン語
(Castellano)
PERDIDOS EN LA JUNGLA
(ペルディドス エン ラ フングラ)
カタルーニャ語
(Català)
PERDUTS A LA JUNGLA
(パルドゥツ ア ラ ジュングラ)

日本語
(原題)
嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲
日本語
(スペイン版直訳)
大人の逆襲!
スペイン語
(Castellano)
¡LOS ADULTOS CONTRAATACAN !
(ロス アドゥルトス コントゥラアタカン)
カタルーニャ語
(Català)
ELS ADULTS CONTRAATAQUEN !
(アルス アドゥルツ コントゥラアタケン)

次回以降、スペイン編においては劇場版のタイトルをスペイン版に合わせる、つまり特に断りが無い限り、スペインでのタイトルを使用しますので、了承下さい。

最後に、スペイン版のクレしんは、韓国版とは違い、削除や別の映像に置き換えるといったことは行われておらず、この事は「アニメーション監督 原恵一」(晶文社)の「スペインを揺るがすクレヨンしんちゃんブーム」でも言及されています。映像の規制に関しては、日本並みに緩やかなものであると推測できます。





付録1
(スペインにおけるクレヨンしんちゃんの歴史)

年代 出来事
1996年 プラネタ社よりカタルーニャ語版の単行本が発売
2001年4月 カタルーニャ語版でのテレビアニメ放送開始
以降、人気がスペイン全土で広がる
2003年6月27日 「失われた玉を求めて」がスペインで初公開
2003年11月5日 「失われた玉を求めて」のDVDが発売
2004年3月24日 「侵略」のDVDが発売
2004年6月25日 「奪回作戦」が公開
2004年11月3日 「奪回作戦」のDVDが発売
2005年5月4日 「秘宝の島で」のDVDが発売
2005年11月16日 「小さな侍」のDVDが発売
2006年5月10日 「ヘンダーランドの大冒険」のDVDが発売
2006年11月22日 「嵐を呼ぶジャングル」のDVDが発売
2007年2月2日 「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」が公開




付録2
(スペイン版DVDの言語と字幕について)


作品 言語 字幕
失われた玉を求めて スペイン語
カタルーニャ語
バスク語
ガリシア語
(無し)
侵略 スペイン語
カタルーニャ語
バスク語
ガリシア語
ポルトガル語
(無し)
奪回作戦 スペイン語
カタルーニャ語
バスク語
ガリシア語
ポルトガル語
スペイン語
秘宝の島で スペイン語
カタルーニャ語
バスク語
ガリシア語
ポルトガル語
日本語
スペイン語
小さな侍 スペイン語
カタルーニャ語
バスク語
ガリシア語
ポルトガル語
日本語
スペイン語



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