全盛期


4〜7巻





クレヨンしんちゃんは、‘93〜‘95年ごろに爆発的な人気を博し、全盛期を迎えます。
ここでは、その全盛期の前半に当たる頃のクレヨンしんちゃんについてです。

クレヨンしんちゃんは全盛期を迎えると共に、作品としてのスタイルが整いますが、それは単行本のサブタイトルでも分かります。

1,2巻では、両方に「オラと母ちゃんはお友だちなのヨ編」がサブタイトルの中にあり、しかも話数は、1巻はPART1、2含めて32もあり、2巻も17あります。また、3巻の中にある「オラ、しんちゃん とってもよい子だヨ編」も17話収録されいます。

これに対し、4〜10巻までは、一つのサブタイトルの中に収録されている話数は、どれも15以上ありません。大体9〜14話の範囲で収まっています。これが計3セットあり、「ハイグレ魔王」を収録している6巻を除くと、さらに「ひまわり組クレヨンしんちゃん」が2話、何らかのおまけのページが一つ(1ページ)という構成で成り立っています。

さらにこの頃のサブタイトルは、「しんちゃんパワーは今日も全開だ編」、「無敵のしんちゃん 今日もレッツゴー編」、「ひゅう〜 ひゅう〜 オラはナンパの名人だ編」などのように、クレヨンしんちゃんという作品全体のの特徴を示すものが多く、後に見られる特定の話のみを指すようなものは、無いわけではありませんが、少数に過ぎません。

また、主な脇役の多くは、この全盛期に登場を果たしています(後にほとんど登場しなくなってしまったキャラクターも少なくないですが)。かすかべ書店の店長に店員の中村さん、ネネママ、おケイおばさんなどは、それ以前から既に登場を果たしていますが、アクションデパートの迷子センターの越谷順子とその上司、秋田のじいちゃん、風間ママ、埼玉紅さそり隊、チーター河村などは、この頃に初登場しています。

そして、登場人物の基本的な性格や行動様式なども、この頃にほぼ確定しています。よしなが先生とまつざか先生の張り合いぶり、風間君のキザなところ(風間くん1巻でも、相当キザでイヤミはところを見せていましたが、2巻で一度影を潜めています)、ネネママのウサギのぬいぐるみを殴る行為などです。

そして、しんちゃんの行動様式もこの頃に確定しています。ぞうさんは1巻で、死体ごっこは2巻で既にやっていましたが、この頃に初登場したものを上げると、コアラごっこ、こうもりごっこ、ムササビごっこなど、そしてケツだけ星人です。そしてこういった行動で、周りのキャラクターがひいてしまうというパターンも確定しています。

また、しんちゃんの顔の形もこの頃には安定しており、「しんちゃん言葉」も多く使用されるようになってきています。つまり、主人公の外見、性格、行動様式等が確定し、それはつまり、作品そのもののとるべきスタイルに確定していったとも言えます。

更に、この頃のギャグは相当どぎついものが多く、「救いようのない」ラストを迎える話も少なくありません。
「救いようのない」ラストを迎える話には、大切なお客様の顔にアイスコーヒーをかけてしまう話、スイミングスクールでみさえの水着がとれてしまう話、社会見学でよしなが先生が電車にとり残されてしまう話、体操のお兄さんの「マンモス」(「ぞうさん」?)がブラウン管に流れてしまう話、よしなが先生の盲腸の退院が少し延びてしまう話、修理していた雨どいを再び壊してしまう話、何匹ものハチがみさえに寄ってきてしまう話、みさえの高級(ブランドピエールガンバルマン)のハンカチが雑巾(?)になってしまう話等が、当てはまるといえるでしょう。
これに、大多数を占める日常のドタバタ劇、そして、少数のホロリとくる感動系の話で分けることが出来ます。

このようなスタイルは、この全盛期にしばらくの間続いていたということから、最多数の読者をひきつけた作品のスタイルであり、また、この最も人気のあった当時、作品としても最も安定していたとも言えるでしょう。



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