オールナイトレポート5
(クレしん映画かく語りき・序盤)



INHALTSVERZEICHNIS


プロローグ

上映スケジュール

鑑賞前

第1作目

第2作目

第3作目

鑑賞後






プロローグ

今年(2006年)の3月中旬頃、それまでは新文芸座でオールナイトが開催されていたのですが、今年はやらないとの事なので、その代わりにどこか別のところでやっていないかと、ネットであれこれ検索したら、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて、史上初の「クレヨンしんちゃん」完全“イッキミ”を実施するという情報を得ました。

ただ、このオールナイトはトークショーなどがあるわけではなく、ただ作品を上映するだけで、しかも4週連続で開催されるから、お金も時間もかかります。管理人の家から六本木って、結構遠いのです。

そんなわけで、行こうか迷いましたが、クレしんに対する情熱が湧き上がってしまい、結局全部観に行くことに「してしまい」ました。

で、このオールナイトは一人かといえば、違うのですね。昨年のオールナイトや試写会でもご一緒した、水橋ホトリさんとまたご一緒することになったのです。水橋さんも行く気が満々だったそうで、私と同じでした。ただ、お金の捻出も少し困っていたようで、そこも私と一緒です。

そして、このオールナイトでは、途中から別の方とも偶然ご一緒することになったのです。それは、後に書いていくつもりです。

さて、このオールナイトでは、劇場版クレヨンしんちゃん第1作の「アクション仮面vsハイグレ魔王」から今年公開の「伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!」まで、全ての作品を一気に鑑賞しようととう企画で、これは(未発売の「踊れアミーゴ」以外の)DVDを全て所有している私もやったことの無い(やろうかと考えたことはある)ものです。

しかも、それを劇場で出来るというのですから、当オールナイトレポート5からオールナイトレポート8までは、単にオールナイトの様子といった事だけではなく、各作品に対する私の個人的感想も書き綴っています。自分の個人的感想を、映画編のように一度まとまった形で書いてみたいと思っていましたので、今回のオールナイトレポートのシリーズ(5〜8)でそれをやることにしました。

映画編のような批評・考察とは異なる、私のクレしん観が伝わればと思っています。

また、各作品の観賞記の冒頭には、私が個人的に気に入っていたり、印象的だったりしたその作品での名(迷?)ゼリフを一つ抜粋したものを掲げています。ということで、今回のオールナイトレポートのシリーズには、「クレしん映画かく語りき」というサブタイトルを付けています。

なお、このサブタイトルの元ネタは、19世紀のドイツの哲学者フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ(Friedrich Wilhelm Nietzsche 1844〜1900)の代表作“Also sprach Zarathustra”の文語体での邦題「ツァラトゥストラかく語りき」です。なお、口語体での邦題は「ツァラトゥストラはこう言った(語った)」となり、今回のオールナイトレポートのシリーズのサブタイトルに当てはめれば、「クレしん映画はこう言った(語った)」となります。





史上初!“伝説を呼ぶ!オトナだけのクレしんNIGHT”
at TOHOシネマズ 六本木ヒルズ


TOHOシネマズ 六本木ヒルズでは、
4月15日公開「クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!」を記念し、
史上初の「クレヨンしんちゃん」完全“イッキミ”を実施!


実施劇場 TOHOシネマズ 六本木ヒルズ

料金:3月24日、31日=¥3,000

4月7日=¥4,000

4月14日=¥4,500

チケット販売 各日とも上映日の1週間前から


◆伝説を呼ぶ!オトナだけの クレしんNIGHT PART1
3月24日

「アクション仮面vsハイグレ魔王」 24:00〜1:45

「ブリブリ王国の秘宝」 2:00〜3:27

「雲黒斎の野望」 3:45〜5:21





鑑賞前

プロローグでも書いたように、3月中旬頃、どこかオールナイトが開催されないかと、ネットであれこれ検索したら、TOHOシネマズ六本木ヒルズで、“イッキミ”を実施するという情報を得た私は、第1回目が開催される一週間前の3月17日、私はこの日新宿に用があったので、その途中で六本木に寄り、チケットを購入しました。席はG-11です。

その後、水橋ホトリさんも行く気であると知り、当日は、どこかで待ち合わせをし、お二人で行きましょうと言うことになり、午後10時に赤羽駅の埼京線ホームの北側の端(上り方面では一番後ろ)でお会いすることになりました。上映開始は午前0時なため、2時間前にお会いするということになったのです。ただし、私はその日、用事があり、少し遅れる可能性もありました。もちろん、水橋さんにもその旨は伝えていました。

さて、当日、家を出た私は赤羽駅へ行きまして、集合時間よりもかなり早く着いてしまったので、改札を出てブラついていました。そして、10時が近づいてきて、埼京線のホームへ行きましたが、水橋さんはまだ来ていないようでした。

確か、10時01分発車だったと思いますが、その電車が到着した時も、まだ水橋さんの姿は見えませんでしたが、その電車が発車する寸前に、ホームの向こう側(南側)から水橋さんのお姿が見え、お会いすることが出来ました。そして、二人で慌ててその電車に乗りました。

電車の中の会話で、水橋さんは小さい頃にクレしんにはまっていた頃は、まさかこの年になっても好きでいるとは思っていなかったと言っていました。私の場合、小さい頃はそういう事はあまり考えていませんでしたが。ただ、いつまでも続けばいつまでも好きでいるという、そんな感じでしたかね。

さて、私は電車の中で水橋さんにチケットがどんなものなのかをお見せしました。というのは、水橋さんはまだチケットを買っておらず、現地到着後に購入するつもりだったため、どんなものなのか見ておきたかったのですね。まあ、オールナイトとは言っても、普通の映画のチケットと変わりませんが。

なお、10時というオールナイト上映開始2時間も前に合流したのもそのためです。上映開始の1時間前にはチケットを購入しておきたかったというわけです。席が全て埋まってしまう可能性もゼロとは言い切れないので(ファンとして言うならば、全部埋まってほしいと考えるべきかもしれませんが)。

六本木までどうやって行くのか、新宿経由か恵比寿経由かどちらにしようか水橋さんと相談した結果、この電車の終点が新宿なら新宿で、新木場が大崎行き(つまり恵比寿も停車する)なら恵比寿にしようということになり、電車は新木場まで行くとの事だったので、恵比寿まで行きました。

恵比寿で降りた後、東京メトロ日比谷線に乗りかえり、六本木に向かいました。六本木駅を降りて、TOHOシネマズに着いた時、まだ11時前でした。しかし、上映開始から1時間と少しで、この状況で果たして水橋さんは良い席が取れるのかと不安になりましたが、私の右隣のG-12を確保することが出来ました。ついでに、その日(上映日の一週間前)から来週のチケット販売開始でしたので、そちらも購入しました。

この後、上映開始まで水橋さんとクレしんの話をしたり、グッズのショップを見たりして、時間をつぶしました。

そして、12時近くなった時、係員がクレしんの上映する劇場の入場を知らせましたので、私と水橋さんはチケットを見せ、SCREEN@ へと入場しました。SCREEN@の座席数は164(+車椅子用スペースが2)席、スクリーンサイズは縦3.7メートル横9.1メートルです。

ただ、水橋さんの席が確保できた時から感づいていましたが、観客数は30人か、それ以下ぐらいだったかと思います。要するにガラガラだったわけです。なんか、クレしんファンとしては寂しいです。

劇場から廊下に出ると、クレしんのオールナイトのスケジュールが書かれた看板が出ていました。そこの上映時間ですが、12時とか1時2時ではなく、24時、25時26時と書かれていました。看板に書かれていたスケジュールは以下の通りになりますが、24時はともかく、25時だの26時といった表記はややこしくなりますので、時間はこの看板の通りに表記しないつもりです。



「アクション仮面vsハイグレ魔王」 24:00〜25:45


「ブリブリ王国の秘宝」 26:00〜27:27


「雲黒斎の野望」 27:45〜29:21




12時、いよいよ場内は暗くなりますが、まずは例によって予告です。予告は20分弱でしたが、その中でクレしんの「伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!」もあって、非常に嬉しかったですね。予告だけでお腹いっぱいだったりして?。

12時18分頃、場内の照明は完全に消え、いよいよクレしん映画の第1作目が上映されることとなったのです。





剣で勝負すると約束したろ
こんな風に勝ったって
男らしくないじゃないか



クレしん映画の記念すべき第1作目、「アクション仮面vsハイグレ魔王」。全てはここから始まりました。この作品こそがクレしん映画の原点であると、私は思っています。
まさにこれを観ずして劇しんは語れない、と言うくらいです。

この作品が公開されたのは1993年ですが、当時と今のしんちゃんは、やはり相当違うんだなと実感します。しかし、チョコビのデザインが相変わらずなのは、なんとなく嬉しくなったりもします。

で、冒頭でマサオ君がチョコビを買って、中にあったアクション仮面のカードを出すのですが、出てきたカードはチンパン総督モンキッキ。ところで、モンキッキって、テレビアニメの「アクション仮面の映画を見るゾ」(1993年12月20日放送)に登場した、ボウソウリーダー・ヤンキッキ(「よろしく!」が口癖)の父親なのではないでしょうか。ヤンキッキは自分の父親について言及していましたし。

まあ、それは置いといて。で、マサオ君はモンキッキのカード5枚目なんですね。3年前のオールナイト(オールナイトレポート参照)でも「ハイグレ魔王」が公開されましたが、この時はここで笑いが起こっていました。今回は観客が少ないせいか、笑いはあまり起こっていませんでした。ただ、私の右後ろの女性が「かわいそ」と笑っているような感じでつぶやいていましたね。

この後、しんちゃんにからかわれるマサオ君をネネちゃんがかばうのですが、今となっては信じられない展開ですね。で、ボーちゃんは、この時から凄い、さすがです。敬意を表したいです。

さて、アクション仮面カードは風間君がやけに詳しいのすね。お菓子会社にパパの知り合いがいて云々カンヌンしますが、風間君自身は興味が無いとのこと。実はかなりのファンで、我々観客としては、この当時のそんな風間君をほほえましく見守ればよかったのですが、時が経つにつれ、どうもそういかなくなりつつありますね。

「ふしぎ魔女っ子マリーちゃん」(1999年10月7日放送)で、マリーちゃんグッズを机に並べて「ウヘヘヘヘ」と喜んでいるシーンを見ると、どうもなあ、という感じがします。ちなみに、あのマリーちゃんグッズをクレしんグッズに置き換えると、あの風間君は管理人の姿そのものだったりしますがね(笑)。「ああ〜愛しのしんちゃ〜ん、ウヘヘヘ」。

この「ハイグレ魔王」は、前半が日常の生活で占められており、その意味ではかなりの異色作だとも言えます。そして、非日常の要素が日常にも入り込んでいる(テレビにハイグレ魔王が一瞬映るなど)という、劇場版ならではの展開という感じもします。

ただ、今回オールナイトで観て思ったのですが、この前半の日常の話には、風間君が影の主人公となっているのではないでしょうか。

最初、風間君は自分はそんな子供っぽいものを集めていないと、アクション仮面カードの事を拒否しますが、これはもちろん本当の自分を隠しているわけです。

しかし、実はアクション仮面をビデオに撮っているのだという事をうっかりしゃべってしまたっりと、段々ボロを出していきます。
そして、最後にはしんちゃんのNo.99のカードに魅力に耐え切れず、「僕にも見せて」と言うのです。本当に自分をさらけ出した、本作品の前半部分における、白眉をなすシーンだと言えます。

さて、後半になると、一気に非日常に突入し、風間君はおろか、園児たちの見所は無くなります。かといって野原家の活躍もあるわけではなく(みさえはハイグレ銃に撃たれないが)、しんちゃんとアクション仮面の大活躍に集約されていると言えます。最初はスーパー三輪車でのしんちゃんの活躍ですが、ハラマキレディースの攻撃を必死にかわしまくるシーンなど絶品です。

それで、しんちゃんはハラマキレディースを助けますが、あれがティーバック男爵だったら、多分助けなかったのではと思います。いや助けたかもしれません?

で、そのティーバック男爵を返り討ちにした後、ハイグレ魔王に捕まるものの、わずかな隙を突いてアクション仮面を呼び出すシーンも見事です。社会の窓から出てくるというのは、正義のヒーロー登場!という爽快感と笑いが見事に両立したものです。

で、この後のアクション仮面との対決では、アクション仮面は勝ち方に、いうなれば男らしさこだわります。「剣で勝負すると約束したろ こんな風に勝ったって男らしくないじゃないか」さすがです。男の中の男です。この台詞は、後の「3分ポッキリ」で問われる正義についてのヒントを示唆していると思えます。

一方、ハイグレ魔王は男らしくない、まあしょうがねえか、オカマだから。で、ハイグレ魔王の変身ですが、ここでルールの基づいた戦いは終わりを告げるのですね。後はルール無用の、なんでもありということになります。だから、アクション仮面も何の躊躇も無くアクションビームを放つのです。効きませんが。あれは、アクションストーンがしんちゃんの手にあり、それで威力が半減していたからなのでしょうかね。それでは、この戦いでハイグレ魔王と戦うのはアクション仮面ではなく、しんちゃんもそこに加わるのだといえます。

で、しんちゃんがアクションビームを出したシーンは、もはや感動の境地にまで達します。しんちゃんはよくアクションビ〜ムとビームを出す物まねをしますが、今回は物まねではなく本当にビームを出したのです。自分の願望がかなったのであり、そして正義のために戦うという使命を背負ったしんちゃんには拍手です。まさに正義のパワー全開です。

で、ハイグレ魔王は地球侵略はこの次にすると去っていきますが、ここからでも、当時のクレしん映画の(絶対悪という)悪役造型が定まっていなかったことを示すシーンです。しかし、後にバンダイの方で、ハイグレ魔王が再び地球侵略に来るという「大魔王の逆襲」とかいうゲームソフトが発売されているのですよね・・・。まあ、当時のバンダイならやりそうなことです(いえ、本当はよく知りませんが)。

ラストでは、しんちゃんはアクション仮面変身セットでアクションビームのモノマネをしますが、当然ビームが出るわけありません。これは、日常に戻ったということを示しており、さらにみさえの悪口を言っている、つまり正義のためではないためでないのだという戒めのようなものも感じられます。

ところで、この「ハイグレ魔王」を上映するのに使っていたフィルムなんですが、同作品が10年以上も前の作品で、当時のフィルムを使っていたせいか、上映されていたテープの劣化が気になりましたね。特に、しんちゃんがトイレのドアをノックし、北春日部博士が「入ってま〜す」と2回言うシーンで、1回目のが「…ってま〜す」と「はい」の辺りがテープの劣化で聞こえなかったのですね。

さて、何だかんだいって、第1作目も幕を閉じていくわけです。

午前1時45分、劇場が明るくなり、約15分の休憩に入りました。午前2時、何の予告も無く時劇場が暗くなり、これまた何の予告も無く、東宝マークが移り、第2作目が始まりました。





ハブ お前はもう人間をやめろ!
ワシの奴隷となれ!



第2作目は「ブリブリ王国の秘宝」、しんちゃんとそっくりな王子スンノケシが登場と言うのが見所です。

しかし、何よりもこの作品の名シーンと言えるのが、野原一家のスカイダイビングではないでしょうか。予告編にも登場していましたし、94年の公開当時、これが宣伝の映像で使われていたのをよく記憶しています。「しんのすけ〜!」と叫ぶあのみさえ、いつ見ても名シーンです。

この作品の冒頭では、王子誘拐から始まるのですが、サリーのカマトトぶりと野郎声のギャップ(「ア〜ン 大丈夫 何でもないわよ」、「オカマ オカマって うるせーんだよ!」)が素晴らしい。故塩沢兼人氏の偉大さを思い知らされます。

で、この作品の冒頭で、しんちゃんは浦和レッズの言及がありますが、レッズが勝つと浦和駅でのサポーターが凄いんですよね。そんな事をふと思い出したりしました。

さて、旅行かと思いきや、実はホワイトスネーク団の罠で、(「好きなのは男」←素晴らしすぎます(笑))、どうにか脱出しますが、着いた先はジャングルの中。とにかく希望を失わないようにしようと、みさえとひろしのミュージカルが始まります。私もDVDでこのシーンを見まくって、歌詞と振り付けを覚えたものです(笑)。

この後、ひろしはみさえに何の秘密を持っているのか問い詰められますが、しんちゃんと子ザルとのやり取りのシーン間に、さっきまでの険悪ムードはどこへやら、新婚さながらのラブラブモードと化しています。可愛さあまって憎さ百倍とは、逆もまた真なりなのですね。そう思わせられました。

で、子ザルの案内で、今はおサルの住処と化している遺跡に行きますが、あれってカンボジアの(アンコール・ワットではなく)アンコール・トムのバイヨンという寺院を思い起こさせます。おそらく、製作スタッフもそれを参考にしたのでしょう。

翌朝、野原一家は出発しますが、途中の川沿いで、虎、大蛇、ワニに遭遇しますが、ひろしのアイディアで、普段の会話に打ち解けることにします。今夜のおかずは云々する野原一家のシーン、観客席ではかなりウケていました。もし、これが子供ばかりだったら、この直後のしんちゃんのぞうさん踊りのシーンで笑いが起こっていたでしょうね。

さて、野原一家は鉄道を見つけ、ルルと遭遇します。ここで、みさえはその笑いができるのはうちのしんのすけだけだといいますが、後にひまわり、ネネちゃん、風間君もしていましたね。しかし、当時はしんちゃんの専売特許だったのでしょう。

で、再びホワイトスネーク団の襲撃で、しんちゃんは遂にさらわれてしまいます。だからと言って、窓から手を出しちゃいけませんぜ(?)。

この後、しんちゃんはアナコンダと対面しますが、アナコンダは自分は子供が大嫌いだと、しんちゃんを脅かします。この小戸もが嫌いだという脅しは、後に「ブタのヒズメ」でマウスもやっていましたが、このアナコンダの方が全然迫力があります。

というのは、このアナコンダというキャラクターで、(本郷監督と原監督の前半における)クレしん映画の悪役が確定したと言えるからです。即ち、それは絶対悪と言うものです。アナコンダはクレしん映画史上最も悪を象徴しているとも言えます。

そして、その絶対悪を象徴する台詞が、「ハブ お前はもう人間をやめろ!ワシの奴隷となれ!」というものです。後にテレビか何かで「ブリブリ王国」を観て、この台詞を聞いた時、ゾッとしたのを今も覚えています。最後、アナコンダはミスターハブと共に壷に閉じ込められますが、これもクレしんの悪役の中では最も悲惨な最期ではないでしょうか。確かに、死にはしませんが、ある意味死よりも残酷であると言えます。「ヘンダーランド」のマカオとジョマの最期も似ていますが、あれはまだ笑を誘う感がありましたが、こちらはそれすらありません。

さて、しんちゃんは牢に閉じ込められ、ここでスンノケシ王子と対面します。スンノケシ王子って、しんちゃんとはそっくりだけどキャラは違うのですよね。だから、笑う姿も見られるわけですが、何かしんちゃんが笑っているようにも見えます。ただ、しんちゃんが笑うとああいう笑顔にはならないでしょうね。あのステキな笑顔・・・。

ブリブリマウンテン島では、宝に着くまでさまざまなトラップを乗り越え無ければならないのですが、最初のトラップでは、しんちゃんと王子だけで試せばいいのにと、(一人は奈落の底行きになることから)非常に残酷なことを考えたりもします。あれは、子供の体重では作動しないのでしょうかね(30キロ以下?)。

金塊の山にたどり着き、金よりも凄い宝があると知ったサリーとニーナは「オカマは欲張りなのよ」「女以上にね・・・」。名台詞です(笑)。そうそう、あのブリブリの壷を呼び出すダンスですが、私もDVDを観てはやってみましたね。結局覚えられませんでしたが。

いよいよブリブリ魔人が登場ですが、アナコンダの願いは具体性にかけるためか、なかなか承知してくれませんが、これは仕方ないでしょう(加藤精三だからねぇ)。で、しんちゃんが小宮のえっちゃんのサインが欲しいと言い、魔人はそちらを承知してしまいます。それで、魔人はテレビ朝日にやってきて、小宮悦子に「サインください」。

このシーンでは、私の何番目かの左隣の男性と、その前の(つまり私から見て左前の)男性がよくウケていましたね。この二人、特に左前の男性はこれ以外でも、かなり笑い声を立てていました。

で、アナコンダは怒り狂いますが、壷は実は一つではなく二つあったのだとミスターハブに知らされ一安心。というのもつかの間、ハブに裏切られた事も知ることになるのですから。しかし、アナコンダは隙をついて、お前の力をすべてくれと願いを横取りします。

私に言わせれば、あの時ハブは壷のことは誰にも告げないで、さっさと願いをかなえるべきだったでしょう。あんな、「少しでも誇りがあるんなら 恥じて死ね」なんて偉っそうに説教なんかして余裕をかましているからダメなんですよ。やっぱり、彼は頂点に立つのには向いてませんね。ナンバー2に徹した方が良かったですよ。トップに立たなくても、アナコンダから存分にいい思いをさせてもらえたでしょうに・・・。まあ、人間って欲をかくとロクなことが無いわけです。

ルルとハブの対決はなかなかの見もので、両者とも非常にかっこいい(ハブの「悪党は悪党らしくしないとな」という台詞は素晴らしい)のですが、しんちゃんの活躍があまり無いのが少々残念です。スンノケシ王子と共に結びの鍵を使うシーンがありますが、それを入れてもやはりあまり見所はあるとは言えませんかね。

ハブとアナコンダを封じ込めた後、帰国をした野原一家ですが、ひろしとみさえのキスシーンはなんか効果音がエロティシズムっぽさが現れていますね。映像で映すより、その効果は大きいと思います。一方、スンノケシ王子はぞうさん踊りをやっていますが、彼もいつかあの「ステキな笑顔」を見せる日が来るのしょうかね。

こうして、ブリブリ王国も終了し、場内は再び明るくなりました。この時刻では、もう売店は営業しておらず、ロビーはかなり静かでしたね。20分弱の休憩の後、午後2時45分、場内はまたしても何の予告も無く再び暗くなり、東宝マークが映し出され、第3作目の上映が開始されました。





私は・・・
私は女ではないっ!!



当サイトの管理人のページで、クレしん映画の第3作目「雲黒斎」は2番目に好きな作品だと書いています。実は、「雲黒斎」が好きになったのは、DVD化されて以降、つまり2004年以降ということになります。さらに言うなら、、1999年にテレビで放送されて以来、DVD化されるまで私は同作品を見ていなかったのです。公開当時の1995年やテレビ放送された時は、いまいち面白いとは思っていませんでした。

しかし、DVD化されて、改めて観た時、非常に面白く感じました。何度も観まくりましたね。大学に入る歳になって、この「雲黒斎」の真の面白さがようやく理解出来たのでしょう。逆に言えば、「雲黒斎」は他のクレしん映画に比べ、子供向けを意識した作品では無かったと言えます。ちなみに、DVDは発売日に購入したのですが(参照)、この日は大学の方でコンパがあり(コンパの前に購入していた)、コンパが終わって帰宅後に、まだ酔いがさめていない状態で初めて観たのですよね。

さて、オープニング後、しんちゃんとみさえが格闘ゲームをやっていますが、しんちゃんはABBAAB→→←とコマンド入力し、ゲームの中のアクション仮面はアクションビームを発射、みさえが操作する敵(RANPOPOという名前で、イーグルヘッドと同一人物?)を倒しますが、この時のしんちゃんのコマンド入力する画面をよーく見ると、しんちゃんは→→←のところを←←→と入力しています。これって、作画のミスなのでしょうかね。まあ、作画にミスがあろうとなかろうと、クレしんの偉大さが揺るぎることはないのですがね(本当にそう思っています。決してイヤミではありません。念のため)。

翌朝、シロの体に乗り移ったリング・スノーストームに助けを求められた野原一家は、いざ戦国時代へ行くことに。ここで、しんちゃんの「つきとめられなかったら?」とシロ(リング)の「戻れません」というやり取りは、非常に印象に残っています。なんか、絶望が漂っているシーンで、実はあまり好きなシーンではなかったりしますが。過去に一生島流しねえ・・・。これはひろしの台詞で、DVDの字幕に記載されていたものです。

さて、戦国時代到着後、3人と1匹は黒子忍者に襲われますが、吹雪丸に助けられます。あの時の吹雪丸のかっこよさにはしびれます。DVDでは巻き戻して何度も観ましたね。この後の雲黒城のシーンでの、お銀の豹変するシーンは子供向けをあまり意識したものではないですね。「踊れアミーゴ」の風間ママのシーンにどこか通じるところがあると思います。

野原一家は戦国時代到着後、服装が(あのダサいジャージから)百姓というか庶民のものに替わりますが、ひろしは侍でないことに、みさはお姫様でないことに不満を漏らしますが、まあ20世紀(当時)での生活が庶民ですからねえ。それで、しんちゃんが髭の浪人の刀を触り、それでひろしとみさえは必死に命乞いをし、その事を吹雪丸に突っ込まれると、ひろしはうまい言い訳をしますが、まさにひろしの姿そのものというか、人間はどこに行っても変わらぬのだと、つくづく実感させられます。

この後の、茶店に行くまでの台詞のないシーンは、私は非常に好きですね。クレしん映画史上屈指の名シーンだと思っています。

DVDが出た2004年の8月、私はオーストリアのウィーンにいたのですが、ウィーンの外れには、かの有名なシェーンブルン宮殿があります。この宮殿の庭園の先には、丘へと続いており、その丘にはグロリエッテという巨大なモニュメントがあります。このグロリエッテまで歩く際、私はこのシーンを頭に思い浮かべていました。で、グロリエッテの中にはカフェがあり、(団子ではなく)ケーキを食べてはフォークを前に出し、「お〜 うめ〜!」とやっていました(もちろん堂々ではなくこっそりとです)。

その夜、吹雪丸はみさえの隣に沿って寝て、みさえは驚きかつ戸惑い、ひろしは嫉妬の念を隠そうとしますが、何だか悲しいシーンです。というのは、後になって分かることですが、吹雪丸は実は女なのに、男として育てられ、みさえとひろしがこの時に抱いた感情は、吹雪丸が男であると認識した上でのものです。

吹雪丸が女だとこのときに判明していれば、みさえとひろしは別の感情を抱いていたでしょう。あの時のみさえとひろしの感情は、女して生きられない吹雪丸の悲しい運命を暗に描写しているような気がします。

クレしん映画のもう一つの時代劇「戦国大合戦」は、春日という小国の行方を縦糸に、又兵衛と廉姫の心が開かれ、そこに展開される2人の悲恋を横糸として織りなされている一方、この「雲黒斎」は人類の歴史の行方を縦糸に、吹雪丸の運命を横糸として見ることが出来るかと思いますが、吹雪丸は結局男として生きらざるを得なくなります。そして、「戦国大合戦」では又兵衛は死に、廉姫と結ばれることは無く、両作品ともに、横糸の部分は悲劇であると言えます。つまり、両作品ともに、縦糸の部分は無事に解決しますが、横糸の部分はそのまま悲劇を受け入れるという展開です。どんなに抗ったとしても、どうしようもない時はどうしようもないのだという、人間の運命のはかなさを描いているように思えます。

さて、吹雪丸達に襲い掛かる最初の刺客が又旅猫之進なのですが、この猫之進の「お前の母親は俺が斬った」という台詞、これも子供向けからやや外れているような気がします。そもそも猫之進やお銀の雰囲気自体が相当不気味なものです。

吹雪丸はゴキブリのしんちゃんの助けもあって、どうにか猫之進を倒しますが、この後ひろしとみさえがお銀によって玉にされてしまい、吹雪丸の苦労もつきません。なお、猫之進を倒した直後、しんちゃんが畑の中から「死ぬかと思った」と出てくるシーンがありますが、このシーンでのテープの劣化が少しひどく、一瞬見づらくなりましたね。「雲黒斎」も10年以上も前の作品だから・・・。

温泉地にて、第2の刺客、フリードキン・珠四郎が襲撃しますが、この時の吹雪丸(とカエルのしんちゃん)対黒子忍者の戦いのシーンも、私は大変気に入っています。あのスピード感と迫力が何とも言えません。

で、フリードキンを倒した後、雲黒城へ到達し、天守閣まで一気に上っていくシーンも、非常に好きです。あのシーンのスピード感と迫力も素晴らしいの一言です。何度も巻き戻しては観たものです。

さて、吹雪丸はお銀との戦いでダウンしてしまい、最後の望みはしんちゃんのお助け機能一つだけとなります。ここから先は、緊迫感が一気に無くなりますね。具体的には、雲黒斎が自分の正体ヒエール・ジョコマンと明かした時から。あの30世紀の名刺?なんでしょうかね、なかなかステキなつくりです。

しんちゃんはお助け機能で、大人しんちゃんになりますが、あまりウケませんでしたね。なお、この「雲黒斎」にはケツ顔マンのシーンが2度登場しますが、こちらもあまりウケませんでした。

というのは、2004年6月から7月にかけて、神奈川県は川崎で映画クレヨンしんちゃん祭りなるものが開催され(「ハイグレ魔王」から当時の最新作「カスカベボーイズ」まで公開)、私は「ハイグレ魔王」と「雲黒斎」だけ観たのですが(時間と距離の問題があったので、この2作品しか観ていませんが)、この時はケツ顔マンも大人しんちゃんも非常にウケていました。観客ですが、大部分は親子連れで、私のような大きなお友達はほとんどいませんでした。

一方、このオールナイトでは観客全員が大きなお友達なわけで、この後カンタムロボでヒエールの雲黒城のロボと戦う際、ひろしの「なんていうご都合主義なんだ!」、みさえの「まじめな私たちにはとてもついていけないわ!」と言う台詞と、この後のやはりこの2人の「すげ〜 すごすぎるぜ・・・」、「だからSFは嫌いなのよ」という台詞が、非常によくウケていました。。子供と大人ではウケる所が違うのだと実感させられます。

で、このヒエールというキャラは、私は非常に好きです。その呑気そうな雰囲気からやられ方までおかしくて、後のマカオとジョマを思い起こさせもします。両者とも、敵の親玉なのにのほほんとしていますし。

ヒエールを倒した後、ひろしとみさえ、そして吹雪丸の妹ではなく弟の雪乃も元に戻りますが、この吹雪丸と雪乃の関係って「とりかへばや物語」を思い起こさせたりします。ただ、「とりかへばや物語」のように、吹雪丸は女に、雪乃は男に戻ることはなったのでしょうかね・・・。この雪乃の「久方ぶりのご拝顔をかたじけのうし おうるわしき み気色のほど祝着至極と存じまする」という台詞は好きです。DVDが出た時に暗記し、今でも言えますよ(笑)。

さて、野原一家は20世紀に帰りますが(あの帰りに食べたすき焼きを見て思ったのですが、30世紀の日本では何を食べているのでしょうかね)、ここでエンディングになっても観客は不思議に思わないのでは、というくらい非常に良くできていると思います。

しかし、ヒエールによって20世紀の歴史が歪められてしまいますが、あの日本の姿って西洋人が描く日本、いやそれよりさらに歪んでますね。そういえば、まつざか先生が女優になってましたね。噂の恋人は計9人、外人ダンサーのジェフ、ハリー、トーマス、ニック、ジミー、マック、エイブラハム、ギデオン、チャールズです。全員暗記していますので(笑)。

さて、ここでヒエールとの最終決戦となりますが、このシーンは本作品がただの時代劇ではなく、歴史や時間といった現象を股にかけた冒険活劇である事を観客に再確認させるものだと言えます。時代劇のシリアスさとこの戦いの滑稽さ(バカバカしさ)のギャップがそれに拍車をかけているのでしょうね。

最後に、「君の瞳に乾杯」(笑)。





鑑賞後

さて、「雲黒斎」終了後、場内は再び明るくなり、観客は劇場を出て、それぞれ帰途につきました。水橋さんと外に出ると、時間が既に5時半頃だったこともあり、すっかり明るくなっていました。

私もそうだったのですが、水橋さんはかなり眠そうでした。しかし、私はそのまま家に帰るわけにはいきませんでした。というのは、私は大学の方へ提出するものがあり、その日が提出の期限日だったのです。

というわけで、私は日比谷線ではなく大江戸線を使う事にしました。水橋さんは帰りも日比谷線を使うということでしたので、六本木駅でお別れになりました。別れる際、来週のオールナイトは現地で、午後11時にお会いしましょうということも決めました。

で、私は大学のほうに向かったのですが、まだ大学の受付が開いていなかったので、私は途中でファミりーレストランに寄り、受付が開く時間までそこにいました。

このファミレスで、私はモーニングセットを注文したのですが、このセットを食べた後、異様な眠気に襲われ、そのまま1時間以上も爆睡してしまいました。

目が覚めてしばらく経って、レストランを出たのですが、ここでの体験は、後に私に大きな教訓を残すことになったのです。

なお、大学に寄った後に家に帰ったわけですが、あまり眠くなかったため、ずっと起きていました。ファミレスでの爆睡が効いたのだと実感したものです。



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